少年風女子高生は天才肌の巻
るこ「ほら、そこ!」
たける「え、どこどこ!?」
るこ「前期学力順位で6位か!がんばったなあ!このこの!」
たける「ほんとだ…私の名前がある…」
たける「ぐすっ…自分なりに頑張ったつもりだからちょっと嬉しいかも…」
るこ「すっげー勉強してたもんなあ!努力が実ったじゃん!」
だんご「おー!たける6位やん!やるなー!」
めがね「わあ!たけるさんおめでとうございます!」
るこ「んで、2位と3位が… あー…なるほどね…」
だんご「あのクソレズ頭はええんやな…」
たける「あ、あはははは…」
るこ「ん!? お、おい…」
たける「え…」
だんご「んん…!?」
るこ「これ1位の奴って…」
たける「お、おのうえでいいのかな?それから名前は完全に…」
めがね「う、うちって女子校でしたよね…男子生徒なんていましたっけ?」
だんご「お、おるわけないやん」
???「前期学力順位6位おめでとう!たけるさん!」
???「同じ学友として心から祝福するわ!おめでとう!」
るこ「あれは?」
たける「同じ塾の橘美沙(たちばな みさ)さんっていって、ちょっとプライド高い子なの」
るこ「ほ、ほう」
みさ「あなた達がたけるさんの言ってたお友達…ふーん…」
だんご「な、なんやの、人のことジロジロみて」
みさ「なーんかあったま悪そう!アンタ達生きてる価値あるのかしら!とてもたけるさんと釣り合うとは全然思えないし」
るこ・だんご「な…な!?」
だんご「な、なんやておまえ!!もっぺんいってみい!!」
たける「ちょ、ちょっと橘さん!?」
みさ「たけるさん!今日にでもこんな人達との付き合いはやめて!今後の学力向上を目指すのなら当然の判断だわ!あなたの将来のためにも!」
???「なるほどね、自分の学友に悪い輩が寄り付いてるからそれを排除してより一層の勉学に励んで欲しいわけだね」
???「でもだからといって高天さんがほんとうに大事にしてる友達をひっぺがすってのはちょーっとおかしい気がするけどなあ」
みさ「な、なによあんた…」
???「ふむふむ、橘美沙、学力順位9位、頭良いんだねえ」
みさ「み、みればわかるでしょ!アンタより頭いいのよ私は!!」
???「なるほどね、机の上でのお勉強は誰よりも優秀なのは確かだ それは誰にも否定は出来ないだろうし、君の学力を凌駕できる人物もこの校内では恐らく少数だろう それも事実だ ただ人間としての知性を担う部分としては正直ボクから見ると少々お粗末な気はするね」
みさ「!? な…!?私がお粗末!?」
???「言った通りだよ 君は先ほど味噌さんや楊さんに対して“頭が悪そう”とか、別に彼女らは君自身に何もしてないのにも関わらず一方的に罵倒しただろ?」
みさ「そ、それがなによ、校内ベストに名を挙げられない人間なんて私からしたら全員屑以下よ!!」
???「それは価値観の一方的な押し付けだね 自分にとってそぐわない、もしくは気に食わないものを挙げては軽々しく否定ないし侮辱する人間はどんなに学力が高かろうとそのメンタリティはそこいらのチンピラや不良となんら変わらないね ボクが君に対して知性的にお粗末だと言ったのその所以にあるんだよ」
みさ「…」
だんご「な、なんかあの子ウチらのこと助けてくれてるみたいやけど、なんかウチ今めっちゃ耳が痛いねんけど」
るこ「お、オウ、アタシも、できればこの場から早く逃げてえ…!!」
みさ「そ、そうね!確かにさっきの私はみっともなかったかもしれないわ…!だけどね…!」
???「大体さあ、君高天さんに勧告なんてしてたけどそもそも君高天さんと言うほど仲良いわけでもないよね?ボクから見たらなんか高天さんに煙たがられてそう」
みさ「……!!!」
???「…」
たける「…!」
みさ「不愉快な…!!」
一同「…」
???「はーやれやれ、ボクもあんなのに目くじら立てちゃってバカだね~ いいこと探しでもしよーっと」
たける「あ、あの!」
たける「友達のことかばってくれてありがとう」
???「ボクの友人も彼女にボロクソ言われて一人で泣いてたらしいんだよね」
???「調理実習の時かなりゲテモノな材料いれちゃったもんだからさ異臭がすごくて、その時にあることないことすごい勢いで言われたらしいよ まあボクの友人に非がないとはいえないけどさ…」
だんご(料理に異臭… なんか聞き覚えがあるぞ…!?)
???「まあそういう訳で別に君らをかばったってよりはボクの彼女に対する単なる意趣返しだよ それじゃあね」
たける「あ…」
たける「名前聞きそびれちゃった…」
すず「ひーとことづつ、おもいだしてる こかげに きおくーをかさね かーけあしでおいかけたいの ひだまりはあなたのそばよ」
すず「なが… えー、あー、なんだっけ」
???「流れ行く 鳥達も 向かうのは きっと そんな場所♪」
すず・???「オーバー・ザ・ヒル!あの丘をこーえて! オーバー・ザ・レインボウ!貴方の笑顔まで!」
すず・???「シュビドゥビドゥパッパ♪サンライズ!シュビドゥビドゥパッパ♪オゥイエー!シュビドゥビドゥパッパ♪あなたに、想いを運ぶ南風!」
すず「すごい!この歌知ってるんですね!」
???「元ネタはあまり知らないけど僕が知ったのは最近やってる「音の旅」っていうラジオからかな」
すず「あ、すずもそれで知りました!毎晩聴いてます!!」
???「あれ面白いよね年代、ジャンル問わず色んな曲が無秩序に流れてさ」
すず「よかったらすずとお友達になりましょう!お名前なんていうんですか、すずは鈴林すずといいます」
???「うーん…ぼくの名前?」
???「…聞いても笑わない?」
すず「わらったりしませんよ すず自身はなぜかみんなに笑われます!ムカつきます!」
???「クスクス…そうなんだ …さんしろー 尾上三四郎(おがみ さんしろう)」
すず「ふぇ?さんしろー?男の子??」
さんしろー「ううん、女の子だよ、父親は男の子が欲しかったんだってさ 迷惑な話だよね」
すず「はえー」
さんしろー「そんなことより友達になったんだしあそぼ!おとといの音の旅の曲覚えてる?歌ってよ!」
すず「いいですよ!すずの大好きなやつです!!えーいがかんでたら~ うまれかわってた~」
さんしろー「ふふふ…すずちゃん、それ先々週のやつだよ」
すず「え゛っ!?」