いびつな三角形の花園の巻 前編
???「きゃー!リリ様にお呼ばれされちゃったー♪」
かれん「可憐(かれん)…ドキドキしちゃう…今日はどんなことされるんだろう…また意地悪な言葉浴びせられちゃうのかしら…それとも前みたいにまたわんちゃんの真似しろだとか…」
かれん「いやー!!リリ様今すぐまいりますぅー!!!」
かれん「……ふぇ…?」
かげまる「今お伝えしたとおりです…」
かれん「かっ、か、か、かげまるさん、今なんて…」
かげまる「「犬飼(いぬかい)さんへ、あなたにはもう飽きた 今日からこなくていいから さようなら 楽しかったわ」とのことです…」
かれん「え、まって、そっ、そんな…!!なんで急に…そんな…!」
かげまる「理由をお尋ねした所、「反抗的なところがまるでなく、つまらない」だとか…「いつも同じ反応で面白くもない」ともおっしゃられておりました…」
かれん「ふえええぇ…そんなぁ…」
かれん「そんなああああ!!!捨てられるなんてー!!!かれんはもう自殺しますぅぅう!!!」
かげまる「あっ…!かれんさま…!」
かげまる「…」
その晩
リリアン「かげまる!!新しい“犬”候補は見つけてきたの?」
かげまる「リリアン様…少しお話が…」
リリアン「まあ怖い顔…今にも取って食われそうだわ」
かげまる「私ごときがそのようなことなどいたすわけが…」
リリアン「……まあいいわ 私に対して何かしら」
かげまる「2年ほどとはいえ、リリアン様へお慕い尽くしてきたかれんさまにあのような仕打ちはあんまりではありませんか…?」
リリアン「クス…やっぱりそのことなのね…だってあの子つまんないんですもの!私はね、極上の刺激がほしいの 刺激がなくっちゃ生きていけないわ そういう意味ではあの子は私にとってあまりにも足りなさ過ぎる だから捨てたのよ だってオモチャなんてそんなものでしょ…役目を終えただけのこと」
かげまる「…」
リリアン「ああ…そういえばあなたあの子のことがお気に入りなんだったわね…よかったじゃない、私が手綱を離してあげたんだから、もうあの子をあなたの好きにできるのよ?」
かげまる「…!」
リリアン「ただ老婆心じゃないけど一応忠告しておいてあげる…あの子、私が躾けただけあって並みの攻めじゃ満足しないわよ 果たしてお優しいかげまるさんの手によってあの子の心を満たしてあげることができるのでしょうか…ウフフフ…」
かげまる「……!!」
かげまる「くうっ…!」
リリアン「まあそんなことはもうどうでもいいのよ、それよりかげまる、鈍臭いあなたのことだからまだ犬候補は見つけてきてないんでしょう?だからわざわざ私が今日候補に一人見つけてきたから…」
リリアン「この娘!!この娘を明日私の屋敷にまで連れてくるのよ…この娘はいい逸材になりそうだわ…」
翌日
めがね「きゃあああああ!!!!」
めがね「またあなた達ですか~!?私なんにもしてませんー!!!」
ちび「あ!?うっせえ!!なにもしてなくても関係ねーんだよ!!!かますぞおっらぁ!!!」
ずきん「*%”☆<)!!」
ちび「ちょうどいいや!今乙女会はよぉ!メンバー募集中なんでぇ!!今お前が入るんならこの大人気ではやりまくりの伊予さんTシャツ贈呈してやるよぉ!!」
めがね「いやあぁぁぁああ!!!!明らかに上からプリントしてるぅぅう!!!!」
ヒョイッ
ちび「ン!?」
かげまる「お取り込みの最中失礼致します、木田友衛さまですね?リリアン様がともえさまにお会いしたいそうです…」
ちび「てっ、てめえ!!リリアンとこの…!!」
かげまる「…!」
ちび「こらぁぁ!!!てめえ!!おろしやがれ!!!はなせー!!!!」
めがね「??」
かげまる「あれは…!!!」
ちび「ぎゃー!!!だれかたすけてええええ!!!」
めがね「わ、わたし助けてもらったのかな」
ちび「うああああああ!!!!泣かされたああああ!!!いよさんにいいつけるぅぅぅぅ!!!!!」
リリアン「…」
???「これはこれは奇遇なところでお会いしましたなぁ」
くらま「クラブ活動などはされずこのまままっすぐお帰りで?」
くらま「キミの大の仲良しに犬飼可憐って娘がいるだろう?悪いんだが今日その娘を貸してもらえないだろうか…」
リリアン「話しかけないでっていってるでしょう…それに私はあの娘ともう縁を切ってるの 用があるのならご勝手に…」
くらま「おやおやつれないですなあ、大事なご従僕なのはわかるのですがそうやってしらばっくれなくともよいではありませんか ちょっと借りるだけですよ…」
リリアン「知らないって言ってるでしょう…いい加減目障りよ鞍馬…」
くらま「オー!そうですかあ、じゃあしょうがないな、今夜キミのお屋敷におみやげを持参して殴り込ませてもらおっかな」
リリアン「それは私に対する挑戦状というわけね…いいわ!いつでもおいでなさい…今夜あなたのためにパーティを用意しておいてあげるわ…!!」
くらま「ではのちほど…」
かげまる「かれんさま!!かげまるです!いずこにおわしますか!?」
かれん「えーん!!!かれんすてられちゃったー!!!これからどうしたらいいのー!!誰が私の事をいたぶってくれるのー!!」
かれん「うがー!!!私のことを辱めてくれるのはリリ様以外に考えられないのー!!あ゛あ゛ー!!金槌で頭打って死んでやるー!!!」
らんこ「きゃー!何があったか知らないけど自殺なんてしちゃダメですよ~」
かれん「キャア!!!!!!!!!!!!!!!!!」
らんこ「いや~おおきなこえ~」
かれん「いっ、い、いつからそこにいらしたんですかあ…!?」
らんこ「う~ふ~ふ~、さっきからずーっとあたたかく見守ってたんですよ~ えへえへ」
らんこ「つらいことがあったんでしょうけれど、死んだりしちゃダメですよ~ よかったらこのらんこお手製のお飲み物でもどうぞ~ 冷えてて飲めば落ち着きますよ~」
かれん「ふえーん!!!私みたいなムシケラのためにわざわざありがとうございますぅぅ!!!!かれんもうすこし長生きしますぅー!!!いただきまーす!!ガバガバ!!!」
らんこ「きゃー♪一気飲みしちゃって、男らしいです~」
かれん「ぽてっ」
らんこ「あっ」
かれん「か、かららがしひれれうごけらい…れ、れもこーゆうのすひはも…」
らんこ「ばんざーい、犬飼可憐さんゲットだぜ~♪」
その夜
リリアン(鞍馬の奴を呼んどいてなんだけど木田さんを今日ここ来させる約束していたのをすっかり忘れてたわ… これはダブルブッキングとか言う奴になるのかしら…)
リリアン(まあ鞍馬なんて影丸一人でどうにでもなるでしょう…私は私で木田さんとお楽しみでもすれば…)
バターン!!!
リリアン「!?」
リリアン「今の扉が倒れる音は…!?鞍馬のやつもう侵入してきてるの!?影丸はなにしてるの…!!!」
リリアン「…!!!」
???「こんばんわぁ、なんやお昼にウチのとこの子分があんさんとこの舎弟はんに偉いどぎついことされて泣いて帰ってきはりましてなぁ、そこでそれのお礼参りをしにきはったんですけど…」
いよ「影丸はんって方いてはりますぅ?」
ちび「うおらー!!!かげまるー!!!仕返しに来たぞー!!!!!」