生徒会治安維持執行役員はチョ~強い!の巻
だんご「きゃー、つぐめちゃんおるやーん、いじめさせて~」
???「待てぃ!!!!!!!!!!!!!!!」
???「自分より力の及ばないものを狙い打ちのめし、自己の快楽を満たすなどという悪行…教師の先生方は見逃そうとも…」
つるぎ「この生徒会治安維持執行役員のこの本王剣(ほんのう つるぎ)は絶対見逃さないッ!!!!!!」
だんご「まぁた頭のおかしそうな奴が… あんたなんやねん!?せいとかいちあん…!?」
つるぎ「味噌団子だな!様々な悪報はわが生徒会でも行き届いているぞ!!こないだなんかはチンピラを半殺しにして金銭を巻き上げたそうだな!!!」
だんご「う、うるさいわーい!!ウチがなにしようがウチの勝手やろ!!!」
つるぎ「むっ!!!」
つるぎ「つぇい!!!!!!!!!!!!」
だんご「いっ!?」
つるぎ「てあぁぁあ!!!!!!!!!!」
だんご「がはっ!!」
つるぎ「さあ、御原さん!もう大丈夫だ!なにかあったら私にいつでも言うといい!」
だんご「ご、ごほっ」
だんご「うあー!!!!あんなへんな奴に泣かされたー!!!くやしいー!!めっちゃくやしいよー!!!!」
だんご(むむむ、あのガキどうやって仕返ししたろか…!でもウチ不良とか素人相手なら全然シバキ倒せるんやけどああいう格闘技に長けてる奴はめっちゃ苦手やねん…どないしょ…)
だんご「あ」
だんご「ちょ、ちょっとまって!!まってんか!!」
さんしろー「おや、君はこの間の」
だんご「あんた、ホンノーツルギって奴知ってる?」
さんしろー「ほんのうつるぎ…ああ、なんか生徒会役員のすごい張り切ってる人だよね」
だんご「あんなー、ウチあいつにめっちゃいじめられて~ん、せやからぁ、あいつに仕返ししてほしいねんよー」
さんしろー「??? 僕が?なぜ??」
だんご「だって、あんためっちゃ口喧嘩強いやん、素手で勝たらへんからお願いしてるね~ん」
さんしろー「口喧嘩が強い??なんのこと?こないだの事いってるんなら僕は自分で思ったこと口にしただけだよ、大体さ仕返しするとかいうのは人の手を借りるんでなくて自分の力で…」
だんご「だー!!!なんでもええねん!!!ウチはあいつに勝たれへんねん!!!!アンタの力を借りたいんや!!!お願いしてるねん!!!お願いします!!!!」
さんしろー「悪いけどお断りだな、どうしてなんの因縁もないの人と争い事なんてする必要あるの おかしいって思うでしょ!というか僕に頼むより君にはたしか超能力使える友達いるよね、あの子に頼むべきでは?」
だんご「ハッ!るこがあいつに勝てるわけないやろ!!っていうかウチ今あいつとケンカしてんねん!!あいつの話せんといて!!」
さんしろー「やれやれ…」
だんご「うあー!!ウチほんとにくやしいねん!!仕返ししてくださいー!!なんでもじまずからおねがいじまずー!!!うああああ!!!」
さんしろー「はぁ…君ってやつはほんっとにヤレヤレだな…」
さんしろー「ン、待てよ… あ、じゃあアレでいこうかな?」
翌日
だんご「あいつ~、明日まで待てって言っておいてなんの音沙汰もないやんか!何組やねんなあいつ!」
さんしろー「やっ!さがしたよ!」
だんご「わっ!?」
だんご「さがしてたのはウチのほうやで!それなに?アンタの昼飯か?」
さんしろー「とんでもない!君にとって役に立つシロモノだよ!」
さんしろー「こないだもいったっけ、僕にはユニークな友達がいてね、その娘は料理が大好きなんだけど味のほうがどうにもどうにもでね」
だんご「あー…あー、そうやね…」
さんしろー「そこでだ、彼女が作ったほうがハズレのケーキ、それから僕が市販で購入してきたケーキがアタリのケーキと2種類用意した!」
だんご「あー!!!なるほど!そのハズレの方をあいつに食わせたらええわけやね!!」
だんご「なんやー!昨日まで自分には関係ないとかほざいてたくせにウチに協力してくれてるやーん!ツンデレやなぁ!このこの!で、どれがハズレの方なん?」
さんしろー「わかんない!どっちか選んでね!」
だんご「……は?」
さんしろー「僕にもわからないようさっき目をつぶって適当にシャッフルしたんだよ、さ!選んで!」
だんご「なんでそんなことするん…」
さんしろー「そりゃそうでしょ、故意にハズレの方渡しちゃったら君に肩入れすることになるじゃない、なんか勘違いしてるけど僕は別に君に協力したわけじゃないんだよ」
だんご「てことはウチがハズレ食べてあいつに大敗北する可能性もあるってことやん…」
さんしろー「要するにそうなったってことは運が君を見放したってことだね、仕返しなんかするべきじゃなかったってことさ、僕は神様なんて信じないけど“運”ってのには敬愛していてね、運は誰であろうと厳格かつ残酷にも平等で…」
だんご「それって要するにウチも参加するロシアン・ルーレットやんけ!!!!!!!アホかぁ!!!正解よこしてウチに食わせろや、このあほんだらぁ!!!!」
さんしろー「そんなズルダメだね!大体さ、人に頼って復讐するわけなんだからこれぐらいのリスクぐらい負うのは当然なんじゃないの?人を呪わば穴二つだよ」
だんご「ぐ、ぐぬぬ…」
さんしろー「まあ楽観論だけどあれだよ、君がハズレを引くっていう確証もないわけで、さっきも言ったけど運っていうのは冷酷なまでに誰にでも平等で、もし君がアタリを引いて本王さんがハズレを引きさえすれば君の仕返ししようとする行動は宇宙レベルで正しく、なおかつ人生の軌道はそのまま進んでいくということになるわけだ ちょっとはしょった言い方したけどおわかりいただけるかな?」
だんご「むう…」
だんご「え…ええよ!やったろうやんか!う、ウチがアタリ引いておいしく食べればええわけやな!」
さんしろー「アハ!そういうこと!人生なんて半分くじ引きで構成されてるようなもんなんだから楽しまなきゃ!」
さんしろー「じゃあ本王さんにこれのいずれか渡してすぐ戻るよ!君も食べなきゃダメだからね!」
だんご「あー…そういえばこないだからアンタの名前聞いてへんかったな…名前おせーてよ」
さんしろー「僕?んーと田中花子っていうの」
だんご「ウソつくな!!」
数分後
さんしろー「OK!渡してきたよ!」
だんご「はやいな!?」
さんしろー「だって教室すぐ近くだし!さ、だんごちゃん!次は君の番!」
だんご「うー…」
だんご「くっそー!!やったろうやんけー!!!」
さんしろー「アハッ…ハズレかな…?アタリかな…!?」
だんご「…あれ?おいしい…普通のケーキや」
さんしろー「あれ、アタリだったの??」
だんご「やったー!!!あのガキに仕返ししたったー!!!ばんざーい!!ばんじゃーい!!!」
さんしろー「やーれやれ、運が味方したとはいえ悪が勝つなんて世の中不条理だなぁ」
だんご「それどういう意味やねん!?」
さんしろー「別に」
ツカツカツカツカ…
だんご&さんしろー「!」
バーン!!
だんご「あ、アンタ…!」
さんしろー「!?」
つるぎ「先程知り合いに聞いたのだが尾上さん、君は小岩井何時花さんと友人だそうで?」
さんしろー「そ、そうだけど」
つるぎ「クラスも同じだったな?」
さんしろー「そうだけど…」
つるぎ「そうか…!恩に着るよ…!!」
さんしろー「あ、あのっ!ちょっと待て!!文句があるなら僕の方に…!!!」
さんしろー「大変だ…!ケーキを作った何時花にイチャモンつける気だ…!軽率だった…!あんなバカなことしなきゃよかった!!」
だんご「ちょ、ちょっとまってーや!前にあんたの友達のケーキ食ったことあるけどあれ尋常やないで!なのになんであいつピンピン元気なん!?」
つるぎ「君が何時花さんだな…?」
いつか「はっ、はい…!!」
さんしろー「待ってくれ!!原因を作ったのは僕なんだ!その娘は何も関係ないんだ!!」
さんしろー&だんご「あ、あれ??」
つるぎ「何時花さん!先ほどのケーキを食させてもらったが大変美味だった!聞くところによると君のお家は洋菓子店だそうだな!もしよければ今度の日曜日にお邪魔させていただくよ!」
いつか「ほんとですか!?最近うまくいかないことが続いてたんでそう言われると励みになります!!頑張ってうでをふるっちゃいますね!!」
だんご「あいつ味覚音痴やったんか… くっそー仕返しにならへんかった…!!」
さんしろー「信じられない…世の中にはああいう運の善し悪しを跳ね除けて我が道を邁進できる奴がいるなんて…ああいうのを「型破り」っていうんだろうな…」