たける大変身！の巻 前編
たける「だんごちゃーん！！どこ～？」
たける「キャッ！？ちょっとやだ！なになに！？」
たける「だんごちゃん…おっきくなっちゃったね…！」
だんご「せやで！ウチがんばっておっきくなったんや！これでもう誰にも馬鹿にされへんもんね！！」
たける「…」
たける「クス…ふふふ…！あはははは！！だんごちゃんいくらなんでも大きくなりすぎだよ！！いつかくる素敵な旦那さんが困っちゃうよ！！あはははは！面白すぎだよ…！！」
？？？（たける…！ たける…！！）
たける母「たける！！！」
たける「ふあっ！？」
たける「ご、ごめんなさい、お母さん… ちょっと眠くなっちゃって…」
たける母「ごはんがもうできたんだけど、勉強はもう終わったの？」
たける「ここのところ片付けたらすぐいくから！」
たける母「勉強中に居眠りだなんて…今までそんなことしたことがない娘なのに…」
たける父「ハァッ…！！429…！たけるも…！がんばってるからな…！そういうことだって…！あるさ…！ハァッ…！430…！」
たける母「やっぱりあのだんごちゃんの影響かしら…だんごちゃんって勉強もろくにしてないみたいだから、あの娘のせいでたけるもろくでもない娘になっちゃうかも…！」
たける父「431…！！だんごは…！！元気だからな…！たけるも勉強ばっかしてたんじゃもやしになっちゃうからもっとだんごと遊んだらいい…！やっぱり子供は元気なのが何よりだ…！はぁ…！はぁ…！43…2…！」
たける母「…！！！」
たける父「433…！くっ…！まだまだ…！434…！」
たける母「あなたぁっ！！！！！！！人の話聞きなさいよぉ！！！！！！！！」
たける父「わっわっ！なんだよ！？ちゃんと聞いてただろ！？」
たける「ごめーん！おまたせしちゃって！先にもう食べてた？」
たける母「たける！ごはんの前にちょっとお父さんとお母さんで話したいことがあるの」
たける父「オレ別にたけるにいってやることなんてないよ」
たける「話…？なに…？」
たける母「たける！もう今後一切だんごちゃんとはお付き合いしちゃダメよ！！あの子のせいであなたに馬鹿が伝染るんだから！！あなたの将来のためによくないの！！」
たける父「お、おいおい！なに急に言い出すんだよ！それと人様の子にバカっていうなよ！たけるの大事な友達だぞ！」
たける「…え…なんで急にそんなこと言い出すの…？」
たける母「たける！あなたここのところ成績の伸びがよくないっていうじゃない！この間あなたの担任の白鳥（しらとり）先生からお伺いしたのだけれど先生もお嘆きになってたのよ！！」
たける父「ふぇ？？そうだっけ？こないだお前と一緒に行った時あのヒゲの先生たけるのことめっちゃくちゃ褒めてたぞ？？」
たける母「あなた！！！！余計なことしか言えないのなら黙ってて！！！」
たける父「な、なんだよ！？オレ覚えてるぞ！たけるはがんばりやでとても頭のいい子ですって！なんでたけるに嘘つくんだよ！？嘘つくのは良くないことなんだぞ！？」
たける「…どうして？」
たける「どうしてお母さんが私の将来に対してあれこれいうの…？私、自分のことは自分で決めれるよ… それと…私知ってるんだから…お母さんがだんごちゃん嫌ってるのはだんごちゃんのお母さんと昔から仲悪いからでしょ…？」
たける母「う…！」
たける父「ははあ…そういうことか…だからだんごのこと目の敵にしてんだな…もう昔のことなのにお前も大人げないやつだなぁ」
たける母「キー！！たけるっ！！！アンタって子は！！！！親が説教してる時に口答えなんて百年はやいわ！！！とにかく！！！お母さんの言うとおりになさい！！！もう金輪際だんごちゃんと付き合わないで！！！わかった！？“はい”は！？」
たける「…さぃ…」
高天夫婦「え？」
たける「うるさいよ！！！！！！私こんなにがんばってるのに！！！！なんでいつもいつもむげにするようなこというの！？お母さんは私にどうしてほしいの！？」
たける「いっつも深く考えもしないで適当なこといってるくせに！！！私知ってるんだから！！！！お母さんはいっつも流されやすいから！！！それで周りが勉強してればいい将来を送れるからっていってるもんだからそれを簡単に真に受けて私にそういう教育させてきて！！！私嫌いなんだよ！！！勉強なんてだいっきらい！！！だんごちゃんたちといつまでも仲良く遊んでいられるのが私の夢なの！！！！いい将来を送れるかどうかなんて私からすればどうでもいいんだよお！！！！！」
たける父「お、おい…たける…」
たける「どうして…？お父さんは別にいい学校にいったわけでもないのに私達のことを幸せにしてくれてるよ…？きちんと毎日海に出てお魚たくさんとってきて…それを売って…いい将来を送れるかどうかなんてその人の頑張り次第なのに…どうしてわかってくれないの…」
たける父「たける！ごめんな…！かあちゃんちょっとカリカリしてたよな！なっ！ごめんな！あとで父ちゃんがうんといっといてやるから！なっ！」
たける「お母さんなんてだいっきらい！私でていく！！！」
たける父「いっ！？おい！！たける！！待てよ！！」
たける父「たける！！待て！！！行くな！！！」
たける母「あばばばば…あ、あの優しいあの子が私に怒鳴るだなんて…」
たける父「チキショウ！見失っちまったか…！あいつオレより脚が速いからな…！本気で走ったら追いつけねえ…！」
すず父「えっ！たけるちゃんが！？」
すず「家出！？！？」
たける父「夜分遅くにスンマセン、初めまして、たけるの父親です、たけるきませんでしたか？」
すず父「すず知ってる？パパ知らないよ」
すず「うあーすずもしらないですー たけるさん心配ですー」
たける父「次はだんごん家とるこん家だな…！大変なことになっちまったなあ！」
たける父「たけるー！！！！」
たける（ぐすっ…お父さん心配かけてごめんなさい…でも私だんごちゃんのこと悪く言ったお母さんのこと許せないの…！）
ガサガサ…！！
たける「！？」
たける「やだ…！？誰かいるの…！？」
？？？「キヒヒヒヒ…！！君すっごい速かったね！！さっきみてたぞ～～！！ヒヒヒヒヒ…！！」
？？？「よぉーし！！！！輝ける実験台第一号は君にしちゃおぉぉう！！！！」
たける「いや…！なにするの…！こないで…！」
たける「いやああああああああ！！！！」
たける「……あれ…ここは…」
？？？「うー！！！ようやく起きたかこのバカタレめが！！！！さっきから何度も呼び起こしてんだよ！！！！このウンコたれめ！！！！
たける「いっ！？！？」
たける「やだーー！！！なにこれ！！なんで私縛られてるの！！誰かー！！お父さーん！！おかあさーん！！！だんごちゃーん！！！！」
？？？「うー！！！こんなとこで叫んだって誰か来るわけねーだろ！バーカバーカ！！！」
たける「ぐすっ…あなた誰なの…？今から私をどうするつもりなの…おねえちゃんのこと離してここから出して！いい子だから…！」
？？？「クフフフフ…自己紹介してやる！もう名前なんてとっくに忘れちゃったけどボクはみんなから白髪（しらが）って呼ばれてる！なんでかは知らない！それとボカァ、キミより40くらい年上だぞ！！敬語を使え！！敬語を！！おじぎしろ！！」
たける「…！？」
しらが「そして！！！今日キミをここに連行した理由を教えちゃおおおう！！！！」
しらが「じゃっじゃあああああん！！！！こいつだああああ！！！」
たける「へ、ヘアピン…？あたっ！」
しらが「うー！！！ただのヘアピンじゃないもんね！！今からこれを使って実験だい！！！」
たける「やめて…！なにしようとするの！？いや…！変なことしたら大声で叫ぶから…！！」
しらが「うー！！！ぼくはそういうヘンなことだとかお下劣なことは大っ嫌いなんだよ！！！勘違いすんなこのハゲ！！！！」
しらが「んー、ここらへんでいいかな 装着ぅぅー！！！」
たける「…！！」
しらが「キヒヒヒヒ…！さあ！思い描くのだ！！自分だけの強い自分の理想像を…！！誰にも負けない自分の強い姿を！！」
たける（自分の理想像…？誰にも負けない強い自分…）
たける（…なんだろう…なんか……なんかめちゃくちゃ強くなったような気がする…！！）
しらが「オーッ！！！気分が乗ってきてるようだな！！！呼応してきてるぞ！！いまだ！！合言葉は！！！“ブレイブ・イン・マインド”！！！！！スリー！ツウ！ワンダー！！！」
たける「ブレイブ・イン・マインド！！！！！」
カッ！
パアアァァ…！
ブチッ！！
たける「…なにこれ…私どうしちゃったの！？」
しらが「…」
しらが「ダッサ！！！！！！！！！！！なんだそりゃ！！！正義のヒーローかなんかかよ！！！もっとキモいモンスターチックなのになると思ってたのに！！！ばかじゃないの！！！！引っ込め！ブスー！！！！」
たける「な…な…！？」
しらが「まあいいや！！！なにはともあれ実験は大成功だ！！傷ひとつついてないみたいだし！！聞け！！！お前は今日からボクの兵隊なのだ！！！お前の力でボクのことを馬鹿にする悪い人間を皆殺しにしまくるのだ！！！」
たける「み、みなごろしって！？」
